2.症状別の薬の使い方

発熟

medicine.gif (1752 バイト) 子どもはよく熱を出します。37.5℃(99.50F)を超えているようなら発熱ではないかと疑います。38.0℃(100.40F)を超えているならば、明らかに異常です。発熱だけで頭がおかしくなるようなことはありませんが、発熱の原因となっている病気の種類が問題です。6か月未満の乳児、特に1か月末満の新生児の発熱は、重大な病気が潜んでいる可能性があります。早めに医師に相談することが大切です。

 対症療法として解熱剤を使うことがありますが、原因疾患の治療ではないということに注意してください。38.5℃(101.30F)以上を目安としますが、熱があっても元気なら便わなくてもかまいません。1日に多くても3回、できたら2回以内がよいでしょう。 解熱剤の種類としては、アセトアミノフェンを用います。経口薬も坐薬もあります。アスピリン(アセチルサリチル酸)は、インフルエンザや水痘のときは使ってはいけません。他の疾患の場合も便わない傾向になっています。成人用の解熱剤も子どもには強すぎる場合がありますので使わない方が安仝です。市販薬を使用する場合は、成分と用量を十分に確認してください。

 摂氏から華氏への換算式
F=℃×9/5+32

風邪

(せき、たん、鼻水)

 風邪は万病のもとと言われますが、ふつうなら数日で治ります。そうでない場合は、あまり気軽に考えずに医師を受診した方がよいでしょう。特に発熱が続く場合は要注意です。海外には日本にないような病気がたくさんありますので自己判断しないことです。クリニツクでは、せきや鼻水など症状に応じて薬を混ぜて処方しますが、市販薬はいろいろな比率で混合したものが多種類売られています。解熱剤が始めから混ぜてあるものもあります。シロツプ剤などは、味もいろいろです。よく分からないときは、薬剤師によく相談してから購入したいものです。それでも長引くときは必ず医師に受診しましょう。


下痢
 下痢の原因は、単なる疲労やストレスによるものから、現地の水や食品が合わない、細菌やウイルスなどの感染による胃腸炎、抗生物質投与による副作用など実に様々です。悪いものは早く外に出してしまおうとする、一種の防御反応ですから、むやみに止めない方がよいこともあります。早く医師にかかり、適切な診断、治療を開始することが重要です。

 家庭でのケアとしては、十分な水分補給と食事療法が基本です。軽症なら湯冷まし、スポーツ飲料でもかまいませんが、手に入るならば経口補液剤(ORSコラム◎参照)がよいでしょう。粉末剤は清潔な水に洛かすことが大切です。
授乳中のときは、母乳を続けるのが原則です。食欲が出てきたら、下痢や嘔吐の具合をみながら、お粥などを与えていきます。

 薬を使う場合の基本的な注意点がいくつかあります。原因が分からないうちに、抗生物質を投与してはいけません。下痢止めも初期には使わない方がよい場合があります。乳酸菌製剤などの整腸剤は、初期からでも使えます。市販薬
でもかまいませんが、早めに医師の診察を受けることをお勧めします。

 乳幼児期の嘔吐も多いものです。原因は、風邪や胃腸炎、髄膜炎、腸重積など様々です。下痢を伴う病気のときは急速に脱水が進行します。顔色が悪くなり、グッタリしてくるのが脱水のサインです。適切な診断と治療のため、早急
に医師に相談してください。

 授乳中の赤ちゃんは、げっぷがうまく出せなかったり、飲み過ぎなどで嘔吐します。哺乳力も機嫌も良く、体重が順調に増えているようであれば、心配はありません。嘔吐がしつこく続くときは、医師の診察を受けてください。 家庭での注意点は、吐物を肺に吸い込まないように、顔やからだを横に向けるようにしてください。また、下痢と同じように食事療法が大切です。嘔吐後、1〜2時間空けてから少量の水分摂取を開始し、嘔吐がないのを確認しながら、徐々に消化の良いものを与えていきます。 吐き気止めの薬は、診察後に坐薬や頓服薬として処方されますが、海外で自己判断で便用することはお勧めしません。

経口補液剤(ORS=Oral Rehydration Solution)につい

 WHOがコレラ患者の脱水治療を目的に開発したWHO−ORSが最初です。現在は世界中でコレラ以外にも便用されています。1パック(食塩3.59、重炭酸ナトリウム2.5g、塩化カリウム1.59、ブドウ糖20g)を1gの水に溶かして用います。日本では販売されていませんが、外国ではホテルのドラッグストアなどでも入手可能です。

 わが国では、処方薬としてソリタ丁顆粒2号または3号が手に入ります。これらは1包3gを100mgの水に溶かして使用します。市販のスポーツ飲料は組成がかなり異なるため、脱水の治療用ではなく、主として発汗用と考えた方がよいでしょう。


腹痛

 腹痛の原因は急性疾患から慢性疾患まで様々です。便秘や胃腸炎に伴うものが最も多いですが、急性腹痛の場合は、緊急手術が必要になることもまれではありません。学童期の子どもでは、腹膜炎になりやすいので急性虫垂炎に注意しなければなりません。乳幼児では腸重積に注意する必要があります。元気な子が突然泣き出したり静かになったりというような症状を繰り返すときは、この病気を疑う必要があります。

 一方、慢性的な腹痛は、精神的なストレスなどが原因となることも多く、カウンセリングが治療の主体になります○そのほかにもいろいろな種類の病気があり、それぞれ治療が異なりますので、早めに医師の診察を受けてください。

家庭での注意点は、処方薬、市販薬いずれも鎮痛剤で痛みを止めてしまうとかえって病気の発見を遅らせることがあるという点です。受診するまでの応急処置なら仕方がありませんが、必ず診察を受けるようにしましょう。

皮膚の病気

汗疹(あせも)
 子どもはよく汗をかきます。あっという間にあせもが出来てしまいますので、高温多湿の国で暮らす場合は、1日に何回かシヤワーを浴びるようにすればよいでしょう。皮膚の脂肪分を落とし過ぎないように、石鹸は少なめにしてください。清潔を心がけることで十分治りますが、もし薬を使う場合は、回数や塗り方などを医師によく聞いておく必要があります。

おむつかぶれ

 おむつかぶれの原因は、便や尿の成分、紙おむつの材質、布おむつの場合は洗剤や漂自剤など様々です。これらが長時間、皮膚に当たっていることやむれた状態が長く続くことが間題です。お尻はふくだけでなく、洗ってあげた方がよいでしょう。市販のお尻ふきの成分が刺激になっている場合があるので注意が必要です。洗った後、柔らかいタオルなどでよく乾かしてからおむつを当てることが肝心です。湿疹用の薬で十分ですが、もしステロイド軟膏を使う場合は、便用方法や期間を医師によく相談しておいてください。薬だけで治そうとするのではなく、清潔にすることを第一に心がける必要があります。

 

熱性けいれん

 高熱とともに全身のひきつけが起こります。日本では数%の子どもに見られると言われ、原因はよく分かっていませんが、1〜3歳頃に多く、普通は1〜2回だけで、その後は再発しません。熱の出始めに起こりやすく、からだを突っ張らせ、自をカッと見開いたり、上転したりします。からだをガクガウと震わせることもあります。発作はだいたい数分で収まりますが、この間、意識はありません。発作中は、胸元を開いて呼吸をしやすくしたり、吐物を吸い込まないように顔を横に向けたりします。□の中に指を人れたり、からだをゆすったりしてはいけません。発作時間が長かったり、呼吸困難やチアノーゼが出現するような場合は、緊急に受診しなければなりません。また繰り返して起こすような場合は、脳波をとっておいた方がよいでしょう。

抗けいれん剤の使用方法

1度ひきつけたことのある子どもの場合は、抗けいれん剤(ジアゼパム)の坐薬を常備しておいた方がよいでしょう。かかりつけの医師に裾談して少し多めに持参してください。37.5℃以上で抗けいれん剤の坐薬を挿人します。8時間後にまだ38.0℃以上の発熟が続いていたら、もう1回追加してもよいことになっています。詳細はあらかじめ医師によく椙談しておく必要があります。解熱剤の坐薬も便用する場合は、抗けいれん剤の坐薬挿入後30分以上空ける必要があります。また頻回に便わないようにしましょう。

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