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●小林和夫博士のプロフィール● 臨床心理学博士 小林和夫先生はロサンゼルスにて1985年開業以来、こどもから大人まで、様々な心のケアを行ってきた心理学者です。子どもの多動性、発達障害、心身症に関する質問、さらにアメリカに住む日本人心理学者というユニークな立場から、長短期に海外に在住する日本人の文化適応やアイデンティティーの問題解決などに精通されています。
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今週のQ&A |
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------------------------------------- 爪を噛む子っていうのは、たまには見かけますが、それについて親が治療に連れてくるというのは今のところまれですね。親も気にはかかると思いますが、それが大事に至るようなことは少ないですから、あまり心配はしないのでしょうかね。当の本人も見ればあまり格好のよいものではないことくらいは解ると思いますが、その悩みをカウンセリングで治すと言うことは思いつかないかも知れませんね。 ≪爪噛みの心理学的解釈=心の葛藤≫ 先ずは、爪を噛むということの意味から考えてみましょう。チックがある子供と同じように、爪を噛む子とは神経質的といいましょうか、一般的には不安の多い子に現れると思われます。心理的には、爪噛みが心の葛藤の表現をしていると見ることができます。すなわち、一方子供は勉強をしなければならないとか、規則を守らなければならないとか、親から、先生から、そして周りの子供からプレッシャーをかけられます。勉強をするにあたっても、ただするのではなくよい成績を出さなければならないプレッシャーもあります。この種のプレッシャーに対して、遊びたい、好きにしたい、そしてプレッシャー自体に対しての反抗や怒りを感じます。これらの二つの力がぶつかり合って心の葛藤を作り上げます。 ≪爪噛みは子どもの置かれている立場と心の動きのシンボル≫ 爪噛みの行為は、親などからのプレッシャーに対して現れる怒りや攻撃心を相手に表現でず、自分に向かって表現した結果、自己破壊的な行動になってしまったことを意味します。同時に、爪噛みからくる痛みは、反抗心や遊び心の表現のマゾ的な快感となっており、痛いから止めるのではなく、その痛さが快楽となっていることが考えられます。親が子供の爪噛みを見て、止めなさいと言うところに対して、親の見ていないところで爪噛みをし、親がコントロールできないことで、子供なりの、プレッシャーに対する反抗をしているという意味も含まれています。まさに爪噛みは子供の置かれている立場と心の動きのシンボルとなっているわけです。 ≪治療法≫ これらのことを頭に置きながら治療をしていくわけですが、最初に考えられることは、回りからのプレッシャーを取り除くことがよいと思われます。すなわち、親や先生方が勉強、勉強、成績、成績とプレッシャーをかけていたら、それを和らげなければなりません。そうすることによって、心の葛藤は少なくなります。この意味で、「噛むことを悪いとは言わず、誰にも癖があるのだから自然にしていいよというようにしている」は、プレッシャーを取り除くよいアプローチであると言うことができます。しかし、これだけでは普通爪噛みは治りませんから、もう少し何かをしてあげなければ解決に至りません。 治療に関しましては、かなり細かく複雑なので、爪噛みの理解をするという意味だけで、ハイライトだけを示します。 先ずは家族セラピーによる親のプレッシャーの削減やよい家族関係の増強があります。個人セラピーでは、ほとんど無意識で行われている爪噛みを意識させるために、短時間の時間を決めて意識的に爪を噛ませ、怒りや欲求を飽和させてしまう方法があります。行動療法などを用いますと、新しい爪の生え具合、すなわち爪の長さに応じて子供の好きな褒美を与えたり遊びをさせることなどをします。 家庭、または教室での対応法では、次のことを頭に入れておいたらよいかもしれません。 1.
爪噛みに関しても、他の出来事、例えば勉強などに関しても、プレッシャーを避ける。 |