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命の大切さ
カナダ・トロント池端ナーサリースクール
園長: 池端 友佳理
今の子供や若者たちは、他の人を傷つけること、殺すことはまるでゲームやTV、映画の世界の中のことと同じで、現実との区別がつけられないのではないか、感覚が麻痺しているのではないか・・・。という声をよく聞きます。
カナダでは、この野蛮といわれる部類のテレビやコンピューターゲーム、映画やTV番組ととくに低年齢化する犯罪との関連付けが明らかになったとのことで、規制が一層厳しくなりました。残虐なシーンが多いテレビやコンピューターゲームを未成年者が購入する際は、保護者の承諾が必要。店頭でそれらを買う場合は、保護者同伴でなければ、購入できません。乱暴な言葉が多かったり、暴力的な行為が多かったり、性的場面がある場合、TV放送などでは、法律上、その旨を番組の最初と、毎回のコマーシャルの終わり(再び番組に戻る場面)に「保護者の判断で見せてください」と、表示しなければなりません。
映画もTV放送同様、その程度によって年齢制限があり「保護者の判断で観賞させる」ことが義務付けられています。例として、映画が“14歳未満は保護者同伴であること”という指示のある映画の場合、14歳の子供たちが子供たちだけで映画館に行っても、この映画のチケットは販売してもらえないのです。そんな法律があっても、形だけで、ほんとはなーなーじゃないの?と思われるかもしれませんね・・・。いえいえ、厳しいですよー、カナダは。この根底には、欧米は告訴の国だから・・・ということが大きいのです。
例えば、現実に未成年者の殺人事件が起こり、その殺人を犯してしまった子供が、残虐なシーンの多いTVゲームに夢中になっていたとします。その場合、保護者が「うちの子が殺人を起こしたのは、残虐なシーンの多いXXTVゲームをしていたからだ。」と、XXゲーム会社、並びに残虐なシーンの多いTVゲームと知っていて、それを販売したお店を訴える可能性があるのです。TVや映画も同様です。ちょっと違いますが・・・アメリカで、「子供が肥満になったのはその子がXXのファストフードばかり食べていたからだ。そのファストフードの店頭には、何が何カロリーと表示していなかったために、その子はカロリーが分からず食べ続けてしまい、肥満になってしまったのだ。」と、訴えた親が現にいました(-_-;)その後、ファストフードの店頭には何が何カロリーと表示されるようになりましたよ・・・(~_~;)まっ、それはさておき・
日本では、私が子供だったころから今に至っても、子供たちの大ヒーロー、○○レンジャーやXXマン!憧れのヒーロー達は今も戦い続け、悪者をやっつけてくれています。カナダは、十年ほど前、日本から入ってきたレンジャーものが、子供たちに大うけ!大ブレイクとなりました。が、大人からの批判は大きくなる一方!日本からのそういう番組に対するバッシングもたいへんなものでした(>_<)批判が大きくなり過ぎ、ついに規制されてしまい、カナダの放送局では一切放送禁止となってしまったのです。アメリカでは、そういう規制はなかったので、アメリカからの衛星放送は流れていましたが・・・。
ちなみに、カナダの保育園、幼稚園、小学校・・・総ての教育機関において、戦いごっこは禁止です!!○○レンジャーやXXマンごっこはしてはならないのです。それだけでなく、ブロックや紙で、鉄砲や刀などの形を模ったものも禁止です。ブロックで鉄砲のようにして、誰かに向かってバンバン・・・なんて事してしまったら・・・生徒は校長室に連れて行かれ・・・保護者は保育園、幼稚園、小学校から呼び出しを食らってしまいます・・・呼び出しだけなら良いけれど(いや良くないけれど)・・・、ある知り合いのトロント近郊の小学校では、生徒がコンビ二で鉄砲の形をした水鉄砲を購入し、校内に持ち込んだことで、その生徒は数日間の停学処分に・・・親が呼び出し食らって怒られるどころじゃないんです!
カナダでは、このような事が原因で、小学生でも停学処分を受けるのは、よくあることなのです。とは言え、この年齢くらいの子供たちにとって、とくに男児達には興味いっぱいの○○レンジャーやXXマン・・・。特に、日本人の家族だと日本のおじいちゃんおばあちゃんがビデオで送ってくれるから・・・。なんて・・。はまっちゃいますよね・・・。私の息子もそうでした(^^ゞ保護者の中には、「禁止ばかりするから、逆に隠れて興味を持つようになるのではないですか?」と、言ってこられる方もあります。でも、カナダ全土で○○レンジャーやXXマンごっこ、ブロックや紙で、鉄砲や刀などの形を作ることが禁止されていることに、大賛成の保護者もたくさんいらっしゃいます。日本人でない家庭の方は、ほとんどこちらの考えです。保護者のおっしゃる事や子供たちの興味のこともよく分かります。が、とにかく、当園はまず法律に従わねばなりません。このナーサリーでは、○○レンジャーやXXマンごっこ、ブロックや紙で、鉄砲や刀などの形を作ることに対しての規則が緩やかだけど、他のところに行ったら、いきなり先生に怒られ、園長・校長室に連れて行かれ、親は呼び出し・・・。なんて・・・。子供がかわいそうですよね。基本的なことは、教えてあげないと・・・。ナーサリーのみんなは仲良しで、悪い人は来ないから、○○レンジャーやXXマンに来てもらわなくても大丈夫だし、悪者をやっつけるための鉄砲や刀は、ナーサリーでは必要ないんだよ。って・・・。そのことを保護者の方にも理解、協力していただく必要があります。
確かに、いつも子供が鉄砲をバンバン・バンバンしているのを親が見ているだけ・・・では良くないですよね。ただたんに、子供が○○レンジャーやXXマンを好きだから番組を見せる、のではなく、後のフォローアップがとても大切だと思うのです。なぜ○○レンジャーやXXマンは戦うのか? って・・・。鉄砲や刀は、誰にでも向けて良いものではないということを・・・ちゃんと、教えてあげないと。私が日本の保育園・幼稚園を視察、見学させていただいた際、ある仏教関係の幼稚園の園長が、「うちはね、ちゃんばらごっこを許可しているんですよ。子供のうちから、痛みというものを分かっていないと、加減というものが分からなくなる。
これくらいなら大丈夫。こんなにしたら、自分も痛いし、相手も痛くて泣いてしまうと・・・。 そうやってお互い様で手加減ということを学ぶのではないでしょうかね・・・。」とおっしゃっていたのが、印象的でした。このように、いろいろな所で大人がきちんとルールを決めて、相手の痛みが、自分の痛みを通して分かるように、子供たちを導いていってあげることができれば良いですね。
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