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障がいのある子どもと暮らす

ディスレクシアの基礎

ディスレクシアとはどんなことですか?

ディスレクシアは、言語にかかわる学習障害のことです。読みを中心にある特定の言葉の習得・使用に困難がある人は、いくつもの症候を抱えて、これをディスレクシアと言います。ディスレクシアの問題を持つ生徒は、ことばのつづり、文章を書くこと、そして、ことばを発音するときに困難があります。

ディスレクシアは、人生を通じてその人に影響を及ぼします。ですが、その時々によって影響の仕方は変化します。学習困難といわれるのは、ディスレクシアは典型的な授業体制の中でうまく学習していくことが大変に難しく、症状が重い場合には、特殊教育や、特殊な住居、そしてさらなる支援サービスが必要と認定されるでしょう。

ディクレシアの原因はなんですか?

ディスレクシアの原因は、まだはっきりと解明されていませんが、解剖学や能の研究からは、ディクレシアの人の能は、通常とは異なった発達や機能をしていることがわかっています。また、読みを困難にさせる主な要因として、英語では一つの単語の中に複数の発話音がありますが、それを聞き分ける事が難しかったり、文字と発音の関係が理解できないという問題を抱えていることがわかっています。

アメリカでは、全米全体で13-14%の子ども達が、ハンディキャップがあり、特殊教育を受けるに値すると認定されてます。

最近の調査結果によると、特殊教育が必要であると言われている子ども達の半分は、学習障害があるとされています。(LD)(6-7%) 約85%の子ども達は、読みとことばのやりとりに初歩的な困難があります。

全米全体では、もっと多く割合で、つまり、15―20%の人々は、読むことが遅い、あるいは不正確、正しく単語をつづれない、文章をきちんと書けない、似た言葉同士を間違えるといったディスレクシアの症候を抱えています。全員が特殊教育を受けるに値すると認定されているわけではありませんが、学校教育の中では大変な思いをしています。このような人たちが、読み書き、そして言語についてシステム化された明確な指導を受けることができたら、どんなに役立つことでしょうか。

ディスレクシアは、社会的背景や知的レベルのかかわらず起きる問題です。どんなに知的な人にも起きる事です。そんな人たちは、ことばをそれほど必要としない分野で才能を発揮しています。例えば、芸術、コンピューターサイエンス、デザイン、演劇、電子技術、数学、製作技術、音楽、物理、販売、スポーツなどが挙げられます。

ディスレクシアは、遺伝に関係しています。ディスレクシアの両親からは、ディスレクシアの子どもが生まれる傾向にあります。幼い頃にディスレクシアと診断される人もいれば、年をとるまでディスレクシアとわからないこともあります。

ディスレクシアの原因はなんですか?

ディスレクシアがどれほど影響するかですが、それは、その人の症状の重さや、指導や療法の効果の出具合によって違ってきます。共通する困難さは、言葉を認知したり、すらすら読めるか、英単語のつづり、そして書くことです。

子どもによっては、良い指導を受けられれば、読んだり英単語をつづるといった初期的なことはうまくこなすことができます。ですが、年齢を追うごとに、文法や文章の内容の理解、作文というように複雑な言葉の技術が求められるようになり、ぐったりするような体験をすることになります。

なかには、話し言葉に問題がある人もいます。手本となる正しい言葉が使われている家庭の中で育っても、や学校で指導を受けたとしてもです。自分のことを言葉ではっきりと表現したり、他の人が言っていることの意味を理解できなかったりします。

問題を抱えているということは、外からはわかりづらく、このため、学校や職場、人間関係の中で問題を引き起こす主な原因となってしまいます。

ディスレクシアは、周りにその人の間違った印象を与えてしまいがちです。ディスレクシアのある生徒は、「ダメな子」とみなされ、できることもできなくなってしまいます。学校中で学習することは、大きなストレスとなり、学校へ行き続ける事をくじく結果となりえます。

ディスレクシアはどう診断されるのですか?


ディスレクシアの定義

ディスレクシアは、神経が原因で引き起こされるある特定の学習障害のこと。正確に、あるいは、すらすらと言葉を認識するのが困難だったり、書く能力や、発音から言葉を想定して書く能力が低いという特徴がある。

このような困難は、一般的に言語の音声学的な構成要素の欠落から引き起こされ、他の認識能力からすると思いがけないことであったり、授業の中で効果的に指導をしようと準備をしてきても思わぬことが起きてしまう。

読解力の問題と読書量の減少は、言葉や予備知識を増やす妨げとなり、二次障害を引き起こすという問題をかかえる。

この定義は、2002年12月12日にIDA委員会で採用されました。また、アメリカの行政研究機関である the National Institute of Child Health and Human Development (NICHD) でも採用されています。

インターナショナル ディスレクレシア 協会     http://www.interdys.org/index.jsp
Information → Fact Sheet → What is dyslexia?
The International Dyslexia Association (IDA)の許可を得て翻訳しました。翻訳の著作権は、海外出産子育てインフォに属します。

書字障害(書字表出障害)のタイプと原因、症状

● インターナショナル ディスレクシア 協会 のサイトから
        http://www.interdys.org/index.jsp

: 書字障害(書字表出障害)のタイプと原因、症状について :      

実際のことですが・・・
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◆ 書字障害(書字表出障害)とはどんなことですか? 
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書字障害とは、字を書くときに障害があることで、いくつかのタイプがあります。
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たとえば、字が読みづらかったり変形している、書くたびに字の形が変わる、読み
やすい字だが書くのが遅い、字が小さい、書き方が遅く字も小さいなどということ
があります。
このような障害があると、ものを書き写すとき、字が上や下にはみだして、ふぞろ
いな感じになることがよくあります。また、どの障害でも、字を書くために多くの
エネルギーとスタミナ、時間が必要になります。


書字障害があると、考えをうまく表現できないかもしれません。
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 文章を書くことで考えを表現するためには、考えをまとめる力、記憶力、集中力、
手の動き、さまざまな言語能力といった多くの知的機能を同時進行させることが必
要です。知的機能を次々と働かせるには、自動的に正確に字を書くことが基本とな
ります。

 書字障害があると、字を書き始めるときに、どこに鉛筆の先を置いたのだっけ?
と思い出しているあいだに、何を書こうとしていたのかを忘れてしまうことがあ
ります。また、授業中、やっていることが遅くなったり、家で宿題を全部終わらせ
ることができなかったり、物事に集中できないということが起こります。


書字障害によって引き起こされる感情は、事態を悪化させてしまうことがあります。
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低学年だと、休み時間の間に黒板の字を早く写し終えるよう先生にに言われてしまっ
たり、放課後は、終わらせることができなかった山ほどのプリントを家にもって帰ら
なければならなくなったりします。

生徒たちは、授業中に取ったノートを改めてもう一度書き直すよう言われたとき、
最初に書いたものと比べると、上手に書くことができません。なぜかというと、子
どもたちの多くは、勉強も良くでき読解力があるのですが、怠けている、注意力が
足りないから、できることもできないんだと責められていると感じているからです。

このようなことによって引き起こされる怒りやフラストレーションは、本当の力を
発揮することに大きな影響を及ぼしてしまいます。

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◆ 書字障害の原因は何ですか?
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単に手の運動機能が原因で読みやすい字を書くことができないという人は少なく、
これに対し、手のふるえから字を書くことに差しさわりがあるという人がいます。

ほとんどのケースでは、脳の中のある機能が、書字障害を引き起こしています。

書字障害の原因については、考えを文字化するときに、右脳と左脳のふたつの脳
の間では情報交換が行われていますが、それががうまく機能していないからだと
考える専門家がいます。

   ◎音素を書記素(ひらがなやアルファベット)に翻訳すること。
    例:音をシンボルに変えること。

   ◎ことばを書記素に翻訳すること。
    例:考えていることを書き言葉に翻訳すること。

別の研究では、注意力の分散や、暗記する量が多いといったことが負担となって
いたり、文字への親しみが書く能力に影響を与えていると考えられています。

読みづらい字を書く人に典型的にみられるのは、手の運動機能や、文字を視覚的
にとらえる能力、字の書き順を目で追ってそれを記憶するといった能力に問題が
あり、それがいくつか組み合わさっていることです。

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◆ 書字障害には、どのようなものがありますか?
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書字障害は、おおまかに次のような種類に分けられます。ですが、個人によって
症状はさらに異なり、そのことが対処法と予後に影響を及ぼしています。

1)識字障害と書字障害が重なっている
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・もともと読みづらい字を書くが、特に、字が複雑な場合にそうなりやすい。

・聞いたものを書く力は弱いが、線を書いたり、教科書などを手本にして書く場
合は、比較的普通。

・指の動きの速さは普通。


2)手の動きに障害がある書字障害
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・何も見ずに書くときも、書写して書くときも、読みづらい字を書く。
・聞き取って書くことはできる。
・線を書くことに問題がある。
・指の動きのスピードに異常が見られる。


3)空間的な書字障害
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何も見ずに書くときも、書写するときも、読みづらい字を書く。
・指の動きのスピードは普通だが、線を書くときに問題がある。


ディスレクシアとは?

    インターナショナル ディスレクレシア 協会 
    http://www.interdys.org/index.jsp

    Information → Fact Sheet → What is dyslexia?
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The International Dyslexia Association (IDA)のサイトから許可を得て翻訳


ディスレクシアは、神経が原因で引き起こされるある特定の学習障害のこと。正確に、あるいは、すらすらと言葉を認識するのが困難だったり、書く能力や、発音から言葉を想定して書く能力が低いという特徴がある。

このような困難は、一般的に言語の音声学的な構成要素の欠落から引き起こされ、他の認識能力からすると思いがけないことであったり、授業の中で効果的に指導をしようと準備をしてきても思わぬことが起きてしまう。

読解力の問題と読書量の減少は、言葉や予備知識を増やす妨げとなり、二次障害を引き起こすという問題をかかえる。

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この定義は、2002年12月12日にIDA委員会で採用されました。また、アメリカの行政研究機関である the National Institute of Child Health and Human
Development (NICHD) でも採用されています。


研究では、ディスレクシアの人は、そうでない人と比べると、情報が、脳の違った部分で処理されています。

多くのディスレクレシアの人たちは、知的にも平均的、あるいは平均以上の能力を持っています。


● ディスレクシア以外にも、学習障害はありますか?
Are there other learning disabilities besides dyslexia?

ディスレクシアは、学習障害のひとつで、他にも次のような障害があります。

・ディスカリキュラ Dyscalculia
 数学的な障害があることで、数学的な問題を解いたり、数学的な概念をつかむに
 あたって、困難があること。

・ディスグラフィア Dysgraphia  
 神経学的に書くことに困難があることで、文字を形よく書いたり、決められた場所
 に書くことが困難であること。


● 注意欠陥障害(ADD)と注意欠陥多動性障害(ADHD)は、学習障害ですか?

いいえ、どちらも行動学的な障害です。

人によっては、学習障害や行動障害がひとつだけでなく、複数にわたることもあります。

さまざまな研究によると、学習障害や読字障害を診断されている人の50%は、ADHD
の診断を受けています。

障害がいくつか重なることがありますが、ひとつの障害が他の障害の原因になるという
ことはありません。


● 言語面における学習障害は、どの程度一般的といえるのでしょう?
How common are language-based learning disabilities?


人口の15〜20%は、言語面で学習障害があります。(アメリカの場合)

特殊教育を受けているある特定の学習障害のある生徒のうち、70%から80%に読み
に欠陥があります。

ディスレクシアは、読み書き、つづりの困難さの一番の原因となっています。

ディスレクシアは、男女差や人種、社会の経済的な背景の違いに関係なく
引き起こされます。

● ディスレクシアであっても読むことを学べますか?
   Can individuals who are dyslexic learn to read?

はい。幼稚園から小学1年生の段階で、効果的な音声学的なトレーニングを積めば、
3年生になったとき、その学年まで学習障害があるとわからなかったり、何もしてもらえ
なかった子どもに比べると、明らかに問題は少なくなります。

小学3年のときに、読解力に問題のある子どものうち、74%は中学3年になっても読解
力に問題があります。その場合、大人になっても読むことに問題があるという人もいます。

効果的に読めるようになったり、情報を整理したり、情報を表現したりできるようになる
には、いつからでも遅くはありません。研究の結果によると、「複数の感覚器官を構成
化した言語技術」を利用したプログラムを受ければ、子どもでも大人でも読めるように
なることがわかっています。


● どうしてディスレクレシアになるのでしょう?
  How do people get dyslexia?

ディスレクレシアの原因は、神経生物学的なものと遺伝子によります。人は、ディス
レクシアを遺伝子によって引き継ぎます。子どもの両親、祖父母、叔父叔母にディス
レクレシアの人がいる場合、可能性が出てきます。


● ディスレクレシアは、治療することができますか? 
  Is there a cure for dyslexia?

いいえ。ディスレクシアは病気ではありません。ですので治療法はありません。

正しい診断と適切な指導、努力、そして、家族や先生、友達、その他の人たちからの
サポートによって、ディスレクシアの人は学校や後に大人になったときに仕事で成功をす
ることができます。

検査と評価

● インターナショナル ディスレクレシア 協会 のサイトから
        http://www.interdys.org/index.jsp

        
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 ディスレクシアとは?
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ディスレクシアは、言語に関する学習障害とされています。これは、学習障害の
中でも最も一般的にみられるものです。

アメリカの人口の15〜20%に学習障害があり、全国健康局は、そのうち60〜80
%が、読みと言語技術に問題があるとしています。

ディスレクシアの人は、受容的音声言語技術、表出的音声言語技術、読み、ス
ペリング、または文章表現に困難さがあります。

ディスレクシアは、症状の重さによってさまざまで、困難さ、得意、不得意の中
に見られる特徴的なパターン、そして、適正な教育が受けられるかといったこと
が今後にかかわってきます。

ディスレクシアは、やる気のなさ、感覚機能障害、環境のなかでチャンスがある
かないか、低知能、その他の制約された状況によるものではありません。神経
学に基づくものであって、家系的な場合もあります。

ディスレクシアは、適切な教育が時期を逃すことなく行われることで、うまく
やっていくことができます。

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 評価が大切なのは、なぜですか?
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ディスレクシアの可能性があるのであれば、問題をより良く理解するため評価を
行うことは重要です。
検査の結果によって、さまざまな特殊教育サービスが受けられたり、大学のプロ
グラム*への適正が決定されます。

また、教育上のアドバイスの作成基準や根拠になったり、改善プログラムの評価
基準の決定となります。

* 大学プログラム  = 大学によっては、ディクレシアの学生のために、特別な
入学基準があったり、入学後の教材や試験、カリキュラムを特別に用意している。

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 何歳ぐらいでディスレクシアの検査を受けたらよいでしょう?
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ディスレクシアの検査は何歳でもかまいません。検査は、年齢によって変わって
きます。

低年齢の子どもは、音声学的処理や、受容的言語能力、表出的言語能力、音声と
符号をつなげる能力についての検査があります。
上記の分野に問題がある場合、すぐさまに改善策がとられます。

初期の教育活動で読みの指導を受けるために、ディスレクシアの診断をする必
要はありません。


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 ディスレクシアを診断する専門家はどんな人ですか?
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ディスレクシアの診断には、複数の専門分野に資格をもつ専門家が最適です。
検査は、専門家が単独で、または、チームを組んで行います。

専門家は、心理学、読みと言語、教育に関する知識と経験が必要です。
検査を行う人は、どうやって読み方を学ぶのか、なぜ読みに問題が起きるのか
についての知識が求められます。また、適切な読みの教育が、アドバイスする
上でいかに重要かを理解している必要があります。

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 ディスレクシアであることを特定するための検査は、どんなものですか?
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ディスレクシアの検査は、1種類だけということはありません。また、検査で
使われるものは、行政側が提供されます。

検査は、潜在的な問題を明らかにする必要範囲の中のものを基本として選びま
す。種々多様な検査が行われますが、良い評価とは、一貫性のあるものです。

検査では、言語を音声で表すときや書いて表すとき、言語を音声で受け入れた
り書かれた言語で受け入れるときの能力や、知的機能、認知処理、学力が測ら
れます。

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 評価にはどんなものが含まれますか?
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専門家は、学習問題が、他の問題と関連していないかどうかを総合的に評価し
ます。

注意欠陥多動障害(ADHD)や、感情障害(不安性やうつ病)、中枢性聴覚処理
障害*、広汎性発達障害、身体的障害、感覚障害が、学習問題を引き起こす
原因であると、優秀な評価担当者ならディスレクシアの診断で判断します。

 (中枢性聴覚処理障害・・・脳の中で音の情報処理がうまくできないこと)


以下の項目は、ディスレクシアの評価に含まれるものです。

1) 発達や、医療、行動、学習、家族の記録

2) 一般的な知的機能の測定

3) 認識処理の情報(言語、記憶、聴覚処理、視覚処理、視覚運動統合、
   論理的分析能力、遂行機能*)
   (*遂行機能: 言語、行為、対象の認知、記憶などを制御し統合する機能)

4) 音声処理を含む読み書きをこなす特定の音声言語技術の検査

5) 読み書き、スペリング、算数の基礎能力の機能レベルを判定するための
  検査。読み書きにおいては次のことが含まれる。

・ 意味のある言葉と、意味のない言葉を表す単語
・ 音読と黙読による内容理解 
   (速度、なめらかさ、理解力、正確さをもって評価する)
・ 読解力
・ 音読したものを書き取る検査
・ 作文表現力: 文章や物語、エッセイなど
・ 手書きの文字
・ 授業中の様子。学齢期の子どもは、実行されている改善プログラムのなか
 の言語カリキュラムについての再検討

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 評価の後はどうなりますか?
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検査担当者、結果について話しあいを持ちましょう。
評価は、検査の点数と、検査の結果に基づいた評価が書式として渡されます。
実施された評価は、明確なのもでなければなりません。

評価では、個々の能力の強弱の程度についての説明がなされ、明確な
アドバイスが記されている必要があります。

学齢期の子どもの場合、評価終了後、グループミーティングが行われます。
その場、生徒の担当教師、親、検査を行った人が出席します。

読みに問題があるときには、報告書にそのための指導方法を盛り込んだ
アドバイスを提供する必要があります。

指導は、構成言語や多感プログラムの特殊訓練を受けた専門技術のある
教師によって行われます。

大人のディスレクシアの場合、対策や改善策の明確な提案と、そのための
支援も重要です。

もしも、検査が現職に問題がある関係で行われたのであれば、報告書は、
職務上の作業に合わせた改善や応用が提案に盛り込まれている必要が
あります。

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 テストには、どのぐらい時間がかかりますか?
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平均的に、全部で3時間ほどかかります。特に、小さな子どもの場合、
集中できる時間が短いことから、1回だけでなく、複数回数に分けて
行うことも必要です。検査にかける時間は、医師の判断により決めら
れます。

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 検査の結果
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個別障害教育法(IDEA)に基づき、公立学校に出席する子どもたちは、
無料の検査と、特殊教育が受けられます。

1973年のリハビリテーション法の第504条とアメリカ障害法(ADA)は、
条件にあてはまる人が、行政のプログラムを受ける際に、差別されること
のないよう保護します。以上はディスレクシアと診断された人を含めます。

IDAは、この報告書作成に協力してくださったローナ コフマン博士に
感謝します。

・・・ この翻訳は、インターナショナル ディスレクシア 協会の許可に基づき作成されています。

こんなことが気になっていませんか?

● インターナショナル ディスレクレシア 協会 のサイトから
    http://www.interdys.org/index.jsp

ディスレクシア: こんなことが気になっていませんか?
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神経学の最近の研究は、研究や発見の余地がたくさん残されているものの、発達ディスレクシアに関しては、そのメカニズムと原因論についての新しい洞察が進められています。

この章では、神経解剖学の最新の発見を検証します。ディスレクシアの人々にとっては、日ごろ苦慮している機能障害の答えの一部となるかもしれません。

推測では、妊娠中に脳の構造が壊され、崩されると、神経の回路網が再編成されます。

再編成によってつくられた解剖学上の物質は、言語獲得がうまくできるように構成されていないため、一般の環境や教育制度の中で発達することはありません。

学習障害の原因ですが、脳細胞の過酷な変質や、脳細胞が変質した場所、システム上の神経系統の適応性、認識能力がどこまで機能的に補えているのか、そして、環境的な条件が関係して起こると考えられます。

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●構造上から見た相違  

キーワード: 異所性脳神経細胞=
        本来あるべき場所以外に存在する脳神経細胞

予備知識:  胎児の脳の中では、脳神経細胞は誕生後、そこにとどまらず、目的の場所まで移動してから発達する。

1979年にアルバート・ガラバーダ博士とトーマス・ケンプラー博士は、脳細胞の移動について研究するため、ディスレクシア男性(20歳)の解剖を行い、脳皮質の一部に、通常では存在するはずのない脳細胞があることを報告しています。

その後、マサチューセッツのボストンにあるベス・イスラエル病院のディスレクシア研究室で、ディスレクシアの男性(5人)と女性(3人)の解剖が行われました。その結果、男性の脳の新皮質の外側の層に、異所性脳神経細胞の房が常に見られることがわかりました(女性はより少ない)。通常、この層には、神経細胞体はありません。

この異所性脳神経細胞のほとんどが、前頭と環シルビウス溝言語領域でみつかっています。

脳神経細胞が移動する際、遠くに移動しすぎるのを防ぐためグリア境界膜がありますが、異所性脳神経細胞は、妊娠6ヶ月前に、このグリア境界膜に亀裂がある場合に形成されます。

女性の場合、異所性脳神経細胞はわずかしか見られなかったのですが、脳神経細胞がないグリア細胞領域が、皮質の中にたくさん見られました。

参考:(脳神経系は、主に、グリア細胞と脳神経細胞から構成されている。グリア細胞は、脳神経細胞に栄養を与えたり、移動するときのガイドを務める。)

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●構造上の変質による原因論
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脳神経細胞が移動を終了する妊娠中期前に、脳皮質の成長が妨げられると、異所性脳神経細胞が形成されます。

脳神経細胞が移動した後の妊娠第3期の初期(7ヶ月目)に、同じように脳皮質の成長が妨げられると、女性ディスレクシアにみられる脳神経細胞がないグリア細胞領域が形成されます。

このふたつに渡る期間が、異所性脳神経細胞と脳神経細胞がない領域をつくるのです。

ディスレクシアにみられる神経病理学上の病型からみると、ディスレクシアの人は、自己免疫疾患*が増加している可能性があることから、妊娠中、自己抗体がうまく働かず、脳に傷害を負ったのではと言われています。

*(1982年に故ノーマン・ゲシュヴィント博士が研究し始めた)

この見解については、動物実験による裏付けは、まだありません。


人体と実験モデルによる最新の発見からは、遺伝的要因の重要性が指摘されています。

ブルース・ペニングトン博士とその研究員の画期的な発見によると、第6遺伝子の領域が、ディスレクシアに関係しているといいます。この領域には免疫機能に関連する遺伝子がたくさんあり、興味深いことです。

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●解剖組織的な変質は、機能にどのように影響するのだろうか?
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異所性脳神経細胞は、他の脳の領域と、深く、また逸脱した形で結びついています。このため、異所性脳神経細胞の形成が、脳の構造を変えることにもなります。

ディスレクシアにおける脳の変質とは、側頭葉の表面の上側にある聴覚と関係する側頭骨平面と呼ばれる言語関連皮質野が、(右脳と左脳で)非対称になっていないことです。つまり、被験者を見ると、側頭骨平面は、普通は、左脳の中のほうが大きいのですが、ディスレクシアの場合、左右の脳で対称になっています。

もうひとつの変質とは、ディスレクシアの場合、巨大細胞システムと呼ばれる視覚神経路の下位システムで、視覚神経路の機能に欠陥があることです。視覚処理が妨げられると、正常な読みの能力に支障が起きます。(リビングストーン、ガラバーダとその研究員)

同様に他の感覚経路に欠陥があると、たとえば、聴覚システム(パウラ・タラの研究より)のように、音を聞いて文字に結びつける音韻技術の習得に支障をきたします。

視覚と聴覚の二つのシステムに支障がある場合、脳の構造と脳神経細胞のサイズに解剖組織的な変化を引き起こします。ですが、機能的な意味での変化については、まだ明らかになっていません。

例えば、マーガレット・B.ロウソンとトーマス・ウエストの2人は、脳構造の違いは、ときには(思考)プロセスにおいて有利になると強調しています。このことについては、アルバート・アインシュタインとトーマス・エジソンも、間違いなく同意見でしょう。

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まとめ:
ディスレクシアのケースでは、人の脳は、

・脳神経細胞が、ないはずの場所にあったり、あるべきはずの場所になかったりする。

・そのことは、妊娠中の脳神経の移動と関係がある。

・脳神経の移動は、自己免疫疾患と関係があると言われている。

・第6遺伝子がディスレクシアと関係していると言われている。

・右脳と左脳で、言語に関係する領域の大きさが通常と異なる。

・視覚と聴覚システムに支障があると、脳の構造と脳神経細胞の大きさに影響があると言われている。

・病因については、はっきりしていないことが多い。

・脳の構造の違いは、時には有利なこともある。

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*マーガレット・B.ロウソン 101歳まで55年間に渡りディスレクシアについて研究を行った有名な女性学者。


慶応大学の解剖学のページ
http://web.sc.itckeio.ac.jp/anatomy/academic/

脳の構造についての図あり
http://bunseiri.hp.infoseek.co.jp/brain.htm

http://www.synapse.ne.jp/~shinji/jyajya/jyajya.html

ディスレクシア 神経物理学 英語
http://www.macalester.edu/~psych/whathap/UBNRP/Dyslexia/neuro.html

John T. Chambers氏について 英語
http://www.ld.org/news/OWfall2001/OWfall2001_chambers.cfm

環シルビウス溝について 英語
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jslp/E-top422.htm

グリア境界膜と脳神経細胞(図あり)
http://www.lib.kobe-u.ac.jp/products/anatomy/kiso/chap2.pdf

グリア境界膜と脳神経細胞の移動についての説明がある。
http://www.pmdrinsho.jp/Meeting2002/getAbstract.php?num=2

脳室、脳神経細胞の移動について
http://www.yk.rim.or.jp/~nagoe/naiyo22.htm

ニューロンの誕生、移動について
http://www.brain.riken.go.jp/bsi-news/bsinews21/no21/special.html

・・・ この翻訳は、インターナショナル ディスレクシア 協会の許可に基づき作成されています。

書き取りやスペリング

● インターナショナル ディスレクレシア 協会 のサイトから
    http://www.interdys.org/index.jsp


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◆ 字の書き取りをするのにどれほどの難しさがありますか?
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読む力を向上させようとしている人や、学習障害のある人たちは、誰もが字
の書き取りに大変に苦労しています。

ディスレクシアの新しい定義は、ディスレクシアの状態にある人とは、字や
言葉、文を書くことに「一目見てわかる」ような問題がある、とされていま
す。なかには、書き取りに特徴的な困難さがある人もいます。つまり、読み
が優秀でありながら、書き取り能力が弱いのです。

このような問題は、一般的なことであるにもかかわらず、その広がりについ
ては、今まで正確な評価が行われてきませんでした。

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◆ 書き取り能力が弱い原因は何?
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書き取りの問題は、読みの問題と同じように、言語を学ぶ力の弱さから起き
ています。

書き取りの障害は、一般的な「視覚的記憶」の問題からきているのではなく、
言葉の中の文字を含めた言語構造に対する意識や記憶に問題があります。

字を書く力が弱い人は、話し言葉でも書き言葉でも、音や音節、字の中に含
まれている意味を分析することに問題があります。

さらに、数学の式や符号といったほかの符号を学ぶことにも困難さがあります。


低学年では、音声を認識する力(音素認識)が弱いことがうかがわれ、字の書
き取り力の弱さと関連づけられます。
学年が上がると、字を書くときの決まりや、言葉の構成、文字の形を理解する
ことが難しいという特徴があります。


書き取りが苦手で、「視覚的な記憶」に問題がある人は、特に文字や言葉の記
憶に問題があります。このことから、字を書き取る力が弱いことを表す言葉と
して、正字法的記憶問題があげられます。


書き取りの力は弱くても、優秀な芸術家や指導者、技術者がいます。また、こ
のような職業には、一般とは異なる視覚的記憶が必要とされます。


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★ 子どもはどうやって書き取りの仕方を学びますか? 
       自分で発明した字は良いこと? 悪いこと?
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書き取りは、たいてい予想を繰り返すことで上達します。

子どもは、文字や符号を線で書き表し始めますが、それは言葉の音を表してい
るわけではありません。


次に、話されている言葉の中から聞き取りやすい音を字にして書くということ
を始めます。そして、すでに学んだ文字を使って、自分だけの言葉を音から発
明するのが上手になります。

この段階は、「音声文字」、または、「仮文字」と呼ばれ、正しく文字を学ぶ
少し前の幼稚園や小学校低学年に起きます。
この時期は重要な時期で、音から発明された文字は、言葉を形成しているひと
つひとつの音を発見するのに効果があります。

ですが、中学年になって字をきちんと書かくように指導される時期になっても、
発明文字のままにとどまってしまいます。書き取りが上達するはずのこの時期、
ディスレクシアの生徒は、苦労を余儀なくされます。


音韻式の書き取り(正しい文字というよりも音素による書き取り)は、初期の
短期的な書き取り上達期間以外なら、望ましいものです。


もしも生徒が音素認識に優れていれば、簡単な言葉なら、その音を分解して、
「本当」の字や、言葉の中の文字の組み合わせを記憶することができます。
言葉全体、または、目で言葉を捉えて学ぶ方法も、しっかりとした音素認識が
あれば強化することができます。

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★ 英語のスペリングシステムは、予想可能でしょうか、不可能でしょうか?
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英語は、音声をアルファベットを使って書き表すパターンに基づいたシステ
ムです。音を文字で表す英語のシステムは、スペイン語のようなほかの言語
に比べると複雑といえますが、予想が効く、習得可能なシステムです。


英語のスペリングシステムが複雑なのは、スペリングのパターンが、古英語
(アングロサクソン語)や、ラテン語、ギリシャ語、他の近代的な言語から
きていることによります。


また、規則的なパターンがそれぞれのレベルにあることが、なおいっそう英語
を複雑にしています。それぞれの音のレベルとは、次のことを指しています。

例: 個々の音、たとえばkの音をどうつづるのか
   ta-ble という言葉を音節でどうつづるのか
   ac-com-mo-date という言葉を意味を表す短いツクリでどうつづるのか


不規則なスペリング、たとえばcome, does ,women は、アングロサクソンの
言葉で、昔からずっと使われ続けてきましたが、スペリング通りに発音されま
せん。

音を表す文字のパターンや、音節、構造的なパターンに結びつかないなじみに
くい言葉は、英語全体の5%にすぎません。

英語のつづりは、全体としては見当をつけやすいといえますが、いくつかの言
語構造の「層」は、字を正しくつづるためには習得が必要です。

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★ どのような指導が最も効果的でしょう?
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学びが難しい生徒のための良いプログラムとは、言葉の中の音、音に対する一
般的な文字の組み合わせ、6つの基礎音節型のスペリング、そして英語のスペ
リングの規則がどのように実際に機能しているのかを重視しています。

プログラムでは、スペリングのパターンを構造的で連続的な方法で教えます。

上級レベルになると、スペリングの指導は、言葉の中の意味を表す部分に焦点
をおきます。たとえば、接頭語、語幹、接尾語、そして、規則的につづられる
文法的な語尾などです。

多感テクニックとは、聞いたり、話したり、見たり、書いたりといったことを
組み合わせ、言葉はどのように話され、書かれるかを生徒に意識的に感じさせ
ます。この方法は、良い結果を出しています。

もし、単語リストが使われているのであれば、音や、音のパターンに対して規
則的につづられる言葉を重視して学びます。

特殊記憶方法は、丸暗記しなければならない不規則なスペリングの言葉を学ぶ
のに必要です。


◆まとめとして、効果的なスペリング方法の指導では、次の方針に重点をおく必
要があります。


・ 以下の知識: 
   音声、文字と音の関係、パターン、音節、スペリングの 中の意味を持ったツクリ
・ 多感を利用した練習
・ スペリング パターンについての構造的で積み上げ式の学習
・ いくつかの視覚的文字をひと目で記憶すること
・ 字を正しく何度も書くこと
・ メモや日記など、個人的な目的で書く文章で言葉を使うこと


◆ IDAは、この報告書に協力をいただいたルイーズ・クック・モート教育学博士
 に感謝を評します。


・・・ この翻訳は、インターナショナル ディスレクシア 協会の許可に基づき作成されています。

社会的、感情的な問題 

● インターナショナル ディスレクシア 協会 のサイトから
   http://www.interdys.org/index.jsp

 ディスレクシアに関する社会的、感情的な問題 
   by ミカエル・リャン博士


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  社会面や感情面との関わり
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研究者たちは、特殊な発達性ディスレクシアについて研究を始めた頃、この障害には、社会的面や感情面の問題がついて回るということに気がつきました。ところが、その後、この問題が取りあげられることはなく、何年も、教育や認知面についての研究だけが行われてきました。

1980年代に入ると、幸いなことに、研究者や医師らは、ディスレクシアの社会面や感情面の問題について注目するようになりました。マーガレット・ブルックさんの研究報告の中では、この問題について2つの仮説ががなされています。

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1)ディスレクシアの社会面、感情面における障害は、勉強ができないことに責任を感じているのと同じ意識の問題がある。

2)ディスレクシアであることが、子どもを普通ではない環境に追い込み、非常に強いストレスにさらし、ひいては、社会面、感情面の適応に問題を引き起こしている。
----

私は、このふたつの仮定が、正しいと信じています。

ディスレクシアにおける原因は、生物学的なものもありますが、障害そのものからも引き起こされています。

この章では、特殊発達ディスレクシアのふたつめ問題点について焦点を当てていきます。

最初に、ディスレクシアの子どもや大人がかかえる要因について述べ、次に、障害そのものから引き起こされる社会面や感情面の反応について簡単に触れます。そして最後に、ディスレクシアの子どもやその家族に対し、具体的な提案をしたいと思います。

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  期待にそえないことから発するストレスやフラストレーション
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サムエル・オートン博士は、ディスレクシアの感情面について、初めて意見を述べた神経学者のひとりです。

研究によると、ディスレクシアの幼稚園児のほとんどは、幸せで、環境によく適応しています。ところが、子どもにあっていない方法で、読むことを指示することで、感情的な問題を引き起こします。そして、その数年の間に、クラスメイトの方うが自分よりもより文字や本が読める力をつけていくのがわかり、ストレスは、どんどん蓄積していきます。

ディスレクシアにおけるフラストレーションは、回りの期待にそえないことから起こります。両親や教師の目には、明るく何事にも熱心な子どもなのに、読み書きを学ばない子と映ってしまうのです。

ディスレクシアの子どもや、その家族は、
「とっても明るくていい子なのに。もうちょっとしっかり勉強すればいいのに」
という周りからのささやきを聞き続けることになります。そして、皮肉なことに、ディスレクシアの子どもたちが、どんなに頑張っているのかということに誰一人気づかずにいるのです。

回りの期待に応えられない辛さは、目標に達せられないというディスレクシアがゆえの無能さによってのみ克服される、ともいえるでしょう。

苦悩を乗り越えるため、完璧主義をめざす人が現れるのも事実です。彼らは、間違いを犯すことなんて、とんでもないことだと信じ込んで成長します。ところが、学習障害とは(定義上のことですが)、軽はずみで馬鹿げた間違いをたくさんしてしまうということです。

こういったことがは、さらにフラストレーションを引き起こし、慢性的に満たされていないと感じさせてしまうのです。  (続く)

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  人間関係への支障
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ディスレクシアは、社会的な人間関係に支障をきたします。理由はいくつかあります。

・) ディスレクシアの子どもは、周りの子どもに比べ、身体的にも社会的にも未成熟である可能性がある。このことは、劣等感(a poor self-image)につながり、回りの子どもからも受け入れられづらい。

・) ディスレクシアの社会的未成熟さは、社会的立場において、その子どもを臆病にさせてしまう可能性がある。

・) ディスレクシアの多くは、コミュニケーションを読み取る力に困難さがある。例えば、人と人と位置関係に、一定の距離が必要なことがわからなかったり、ボディ ランゲージを読み取ることできない可能性がある。

・) ディスレクシアは、話し言葉の機能に影響を及ぼしている。このため、適切な言葉を選ぶことができなかったり、どもったり、問いかけに対する答えがなかなか出てこなかったりする。
これは、仲間同士のコミュニケーションで、言葉が中心になってくる思春期初期に大きなマイナスの影響を及ぼす。

◇ 物事の順番に関する困難さ

私は、医学的な観察から、ディスレクシアの人は、文字や単語の順番を覚える困難さの他に、物事の順番を覚える困難さがあると考えています。

例えば、校庭で遊ぶ二人の子どもたちの行動における反応を見てみましょう。

ディスレクシアの子どもが、もうひとりの子どもの持ち物を取り上げてしまいました。相手に名前を呼ばれ、その後、その子をたたいてしまいます。

ディスレクシアの子どもは、この経験から同じ行動を別の順序でしてしまう可能性があります。つまり、相手が彼の名前を呼んだことを覚えていて、その子から名前を呼ばれると、物を取り上げ、さらにたたいてしまうのです。

この現象は、ディスレクシアにおけるふたつの困難さを示しています。
ひとつには、間違いを犯してしまったということを学ぶのに時間がかかること。
ふたつめは、もしも大人がその場を目撃し、ディスレクシアの子どもに、何が起きたのかを説明させた場合、子どもがウソをついたように見えること。

残念ながら、子供同士の間での反応は、上記のような3つのパターンでは終わらず、15から20のパターンになってしまいます。

順序や記憶の問題から、ディスレクシアの子どもは、そのたびごとに違った順序で物事をとらえ、そのあらすじを話すことになります。これは、教師や両親、心理士に、精神的な病気にかかっているか、病的なうそをついていると結論づけさせてしまいます。

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  一貫性の欠落
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一貫性の欠落は、子ども時代に大きな混乱を引き起こします。そして、大きな変異性が、生徒それぞれの能力にがみられます。誰にでも、強み、弱みはあるのですが、ディスレクシアでは、それが過度に強調されてしまいます。また、その強みと弱みは、微妙に関係しています。

私は、かつて大学の卒業学力試験で数学を受けた青年を診ていた事があります。彼は、数字を記憶すること以外なら、何でもできました。
家庭教師として、大学院生たちに、高等統計学と高等計算法を教えていましたが、大学院生たちは、彼が学生たちの電話番号を覚えることができないということが信じらませんでした。

このような落差は、ディスレクシアの人にジェットコースターのような効果を引き起こします。また同時に、同級生をはるかに上回る能力で仕事を片付けることができます。でも、次の瞬間には、決して終わることのない仕事に向き合っているのです。

このことを「ブラックホールの中に入っていく」と表現するディスレクシアの人もいるぐらいです。

この問題に対処するためにも、ディスレクシアの人は、学習障害について、理解をしておく必要があります。理解は、どんなときに成功し、どんなときに失敗するのかを見通す鍵となります。

ディスレクシアの人は、とっぴなことをすることがあります。それは、決まったとおりの間違いをしないということです。

例えば、ディスレクシアのある人に、テレビと暴力について100文字でエッセイを書くように指示したときのことです。彼は、予想通り「テレビ」のつづりを5回間書き違えてしまいました。それも毎回、異なったスペリングで。このように次々と変化してしまうと、改善はいっそう困難となります。

最後ですが、ディスレクシアの人の行動は、日々、変わっていきます。ある日は、読みは比較的簡単なのに、他の日には、自分の名前を書くことすら難しいといったことが起こります。一定性に欠けるということは、ディスレクシアを難しいものにするだけでなく、彼の近くにいる人たちにも大きな影響を与えてしまいます。

わずかな例ですが、継続性に完全に欠けているというハンディがあります。例えば、車椅子の子どもは、ずっとそのまま車椅子に座り続けます。もしもその子が歩き出したら、専門家は、発作的なことだと考えるでしょう。

一方、ディスレクシアの人の行為は変動的です。この変動を調整するのは、並大抵のことではありません。というのは、その日に与えられた意図を察することができないからです。

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 不安
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不安は、ディスレクシアの大人にとって最も感情的な症状であると報告されています。

ディスレクシアの人は、学校での経験から、常にフラストレーションと混乱を抱えています。このような感情は、ディスレクシアから引き起こされる一貫性の欠如によってますます強調されてしまいます。つまり、失敗は許されないという気持ちから、新しい環境に入っていくことに対し、強度の不安が沸き起こってしまうのです。

不安があると、恐ろしいものから遠ざかろうとします。ディスレクシアも例外ではありません。ところが、教師も両親も、これを怠け心と勘違いしてしまいます。実際に、学校における活動、例えば宿題をすることへの躊躇は、不安や混乱を通り越し、無関心になってしまいます。

ディスレクシアにおける問題は、学校や社会のあり方から引き起こされます。社会科学者は、不安は怒りを引き、起こすといっています。このことは、ディスレクシアの多くに見られます。

◇ 不安の標的

ディスレクシアにとって、学校と教師は、怒りの標的です。しかし、この怒りを両親に向けてしまうことがあります。

特に、母親はに怒りのターゲットになりやすいといえます。例えば、学校の中では、怒りはあっても非常に受身的立場にいます。ところが、家で同じような状況が起きると、感情が爆発し、母親に向けられてしまいます。皮肉なことに、母親を信頼するほど、この怒りは押し曲げられ、母親に向けられます。

ところが、子どもを助けたい一心の両親にとって、これは、フラストレーションでもあり、大きな不安でもあります。

◇ 思春期

この怒りは、特に思春期になるとますます顕著になってきます。子どもは、ディスレクシアであるれがゆえに、その環境の中で大人に頼りがちです。例えば、宿題を解くのに、勉強を必要以上に見てもらわなければなりません。

思春期が近づくと、社会は、子どもが自立することを期待します。自立への期待があるにもかかわらず、学習面で依存しなければならないという感情は、心の中に大きな葛藤を引き起こします。

この状況の中で、思春期のディスレクシアの子どもたちは、依存せざるを得ない人たちに、いっそうの怒りをぶつけます。

このような理由から、親が、思春期にあるディスレクシアの我が子をサポートすることは、とても難しいと言えます。それに比べ、同級生や、年上の若い人からのサポートはとても望ましいといえるでしょう。

◇ 自分を大切にする気持ち

ディスレクシアの人の自分を大切にする気持ち(self-esteem) は、フラストレーションや不安からとても傷つきやすいものです。

エリック・エリクソンによると、小学校最初の1年間は、どの子どもも、自分を大切にしようという気持ちと、自分は劣っているのではないかという気持ちの間で大きく揺れているといいます。もしも、その時点でうまくやっていくことができれば、自分自身に対しプラス思考になれ、その後の人生もうまくやっていけると信じることができます。

うまくやっていけなかったり、フラストレーションを感じた子どもは、頑張っているにもかかわらず、その成果が少しも上がらず、ほかの子どもより自分が劣っているということを学びます。そして、力がない、能力がないと感じます。

◇ 成功体験をどう受け止めるか

研究者によると、あるタイプの学習者は、成功すると、成功に向けての努力を信じることができると言います。

ですが、ディスレクシアの場合、たとえ成功したとしても、それは運が良かったからだとしか考えることができません。うまくいかなかったときは、頭が良くないからだと思ってしまいます。

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  うつ状態
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うつ状態は、ディスレクシアに起こりがちな症状です。ディスレクシアの多くは、うつ状態ではありませんが、学習障害のある子どもたちが、悲しみや苦痛に陥る危険性は高いといえます。というのは、自分を大切にする気持ちが弱いことから、怒りを回りに向けるのではなく、自分自身に向けてしまうためです。

うつ状態の子どもや思春期の子どもたちは、大人とは違った症候のきざしを見せます。これは、うつ状態の子どもが、無気力だったり、悲しみを表現しないというわけではありません。それどころか、辛い気持ちを隠すため、元気そうにしたり、誤った行為をしたりします。うつ状態を隠すため、幸せではないということを見せないようにしているのかもしれません。

ですが、子どもでも大人でも、次の3つの特徴が見られます。

1) 自分自身に対し否定的な考えを持つ。たとえば、自分自身のイメージ  に対し否定的である。

2) 世界を否定的に考える。人生において良い経験を楽しむということをあまりしない。その結果、物事を」楽しむということができない。

3) うつ状態の若者は、未来を明るくとらえるということが難しい。うつ状態のディスレクシアは、現在を苦しんでいるだけでなく、未来も失敗の連続だと考えている。

◇ きょうだいへの影響

ほかの障害のある状況と同じように、ディスレクシアは、家族にとっても大きな影響があります。ですが、ディスレクシアは見えない障害のため、それは見逃されがちです。

ディスレクシアは、家族にいろいろな悪影響を引き起こします。最もわかっていることは、潜在的なライバル意識です。

ディスレクシアでないきょうだいは、ディスレクシアのきょうだいが、親の注意や時間、そしてお金を独り占めにしていることに嫉妬を感じます。一方皮肉なことに、ディスレクシアのきょうだいは、親の注意を引きたくないと思っています。このことは、家族の中で一生懸命にやっている子どもに対し、否定的な態度をとらせてしまいます。

◇ 親自身の受け止め方

特殊なディスレクシアは、家系的なものもあります。つまり、片親、もしくは両親共に、子ども時代に同じような経験をしているかもしれないということです。ディスレクシアの親は、学校で問題がある我が子に接したとき、次のふたつのうち、どちらかの行動を取ります。

・) ディスレクシアの存在そのものを否定し、子どもは、なんとかこのことをうまく切り抜けてくれるだろうと期待する。
・) 子どもが学校で体験してきたことを見て、自分が子ども時代にうまくいかなかった時のことや、フラストレーションを思い出してしまう。強く恐ろしい感情がこのことにより誘発され、子育てに支障をきたす。


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  成功への具体策
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過去18年間に、私はたくさんのディスレクシアの大人にインタビューを行ってきました。その結果、学びの問題にうまく対応できている人もいれば、そうでない人たちもいることがわかりました。

成功するための要因として、知的なものや、経済力といった社会的要因以外にも、次のことがあることもわかりました。

1) 幼いころに、力強く勇気づけてくれる人がいた。
2) 若いときに、成功する場が与えられていた。
3) 成功するディスレクシアの人は、ほかの人を助けるための責任能力を伸ばしている。

教師と両親は、一貫性を持って子ども達を勇気づけしたり、サポートし続けていくことを求められています。しかし、若者を助けることの重要性については、ほとんど話題に上がっていないのが現実です。

◆ 勇気づけに必要なこと

私は、勇気づけには、少なくとも次の4つが必要と考えています。

1) 子どもの気持ちをくみ取る。
不安や怒り、そして、うつ状態は、ディスレクシアにとって常にまとわる問題で、言葉の問題が、子どもたちの気持ちの表現を妨げています。このため、大人は、子どもたちが自分たちの気持ちを言葉で表わせるよう、手伝う必要があります。

2) 教師や両親は、子どもたちに物だけでなく、目に見えないご褒美をあげることが必要です。ディスレクシアの子どもには、成績の結果よりも「進歩した」ということのほうがよっぽど重要なのです。

3) 子どもがよくない行為をしてしまっても、大人は、必要以上に勇気をくじくようなことをしてはいけません。「怠け者」「救いがたい」といった言葉は、子ども自身が深刻なまでに自分のイメージを壊してしまいます。

4) 子どもに現実的な目標を持たせることが重要です。
ほとんどのディスレクシアの子どもたちは、完璧で達成不可能なゴールを設定してあげます。教師は、子どもに達成可能な目標を設けさせることで、失敗のサイクル パターンを変えることができます。

◆ 成功体験の必要性

さらに重要なのは、子どもが成功を楽しく実感できることです。そのためにも、人生のどこかで成功体験が必要です。

ディスレクシアの良さは、場合によって、とてもはっきりとしています。例えば、スポーツや芸術、機械工学を通して自分を大切にする気持ちが、培われていきます。
一方、ディスレクシアの良さは、微妙でわかりづらいという点があります。両親や教師は、子どもの興味を現実の生活に結び付けてあがる必要があります。

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  人との関わり合いをもつ
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最後になりますが、成功しているディスレクシアの人たちは、ほかの人と関わることで、自己の苦しみと向き合っています。また、チャリティーや教会でのボランティアや、感情移入や常識を必要とする職業についたりしています。

このような経験は、人生を前向きにし、苦しみやフラストレーションに対し、効果的に向き合えるようになるための助けとなります。

周りの人を助ける機会は、学校や家の中、教会などあらゆる場所にあります。

重要な役割として、友達の勉強を手伝うことがあげられます。もしも、数学や科学が得意なら、勉強で困っている友達に教えてあげることも可能です。もしかすると、後でその友達が、お礼に本を読んでくれるかもしれません。
年下の子どもの、特に同じディスレクシアの子どもの家庭教師をしてあげることは、お互いにとっても、とてもよい経験になるでしょう。

教師は、ディスレクシアの子どもの手助けをすることで、そうして良かったと思えるようになるでしょう。ですが、そんな自分の気持ちにうまく対応していくことも、また複雑な作業といえます。

まず、教師は、ディスレクシアが引き起こす認知の問題や影響について理解をする必要があります。次に、ディスレクシアの子どもが、周りの子ども達と同じように喜びや成功ができるよう、手助けのための戦略を立てていくことが求められます。

・・・ この翻訳は、インターナショナル ディスレクシア 協会の許可に基づき作成されています。

多感覚教授法

● インターナショナル ディスレクレシア 協会 のサイトから
        http://www.interdys.org/index.jsp

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 多感覚教授法とは?
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多感覚教授法とは、視覚や聴覚、触覚を刺激し、記憶力や学習力を強化することです。視覚(見たり)、聴覚(聞いたり)、触覚(触ったり)は、読み書きを学ぶ際に、常に互いに関連しあっています。

IDAの先駆者でオートン ディスレクシア協会の元会長のマーガレット・ ビアード・ロウソンは、こう述べています。

「ディスレクシアの生徒が、授業中にスタッフから言語を学ぶためには、一般とは異なったアプローチが必要だ。生徒は、言葉の基礎要素である音声や字を学んだり、どうやってそれを一緒にしたり、ばらばらにするのかといったことを、ゆっくり、かつ徹底的に教わる必要がある。

意識して言葉を系統化したり、学んだことを記憶するには、手や目、耳、声を同時にうまく機能させることが必要で、そのためには、たくさんの練習を積まなければならない。」

多感覚教授法では、教師は生徒に、表記されたシンボルと音声を結びつけるよう指導します。
生徒は、音声とシンボルを結びつける一方、文字(単独であったり複数であったりする)が形作られるさいの感触も学んでいきます。

生徒は、新しい文字やパターン、たとえば、s や th を学ぶとき、それに結びつく音を声に出し、同時に注意を払いながら字を写し取ったり、コピーしたり、書いたりします。音声は、教師が出し、文字の名前は生徒が書いていきます。

このようなパターンを使うことで、生徒は読んだり文字を書き取ったり、文章を書いたりできるようになります。

学習では、日常に良く使われる単語を覚えたり、記憶術や、字の上に薄い紙を載せて書き写す方法や、発音から字を書く方法などをがありますが、こういったことを単独で使うよりも、3つの感覚を駆使しながら活用することのほうが重要と言えます。

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 多感覚教授法は、いつどこで
    ディスレクシアの子どもたちに使われ始めたのですか?
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1920年半ばに、アイオワ州のメンタルヘルス 巡回クリニックに勤めていたサミュエル・トレイ・オートン博士とその研究員によって、多感覚教授法は使われ始めました。

オートン博士は、グレイス・フェルナンドと、ヘレン・ケラーが記した触感法に影響を受けました。

博士は、視覚と聴覚の間のつながりを強化する触感教授法により、例えば、読み書きの際に起こりやすい逆さ文字や、単語の中の字の順序変換などを正すことができるとアドバイスしています。

例えば、b と d を書き間違えてしまう生徒には、それぞれ決められた異なる書き順で書くよう指導します。例えば、bを書くときには、まず縦線を引いてから丸を書くようにさせ、d のときには、先に丸を書いてから縦線を書かせます。

1936年に、アンナ・グリングハムとベッシー・スティルマンは、オートン博士の理論の基づき、アルファベット方式のための指導書を作成しました。これは、音(韻)と、単語の中の意味のある部分(接頭語や接尾語、語幹といった意味を持つ最小限の言語単位)と、スペリングの一般的な規則といった書き言葉の構造教授法と、多感覚教授法を組み合わせたものです。

オートンーグリングハム アプローチとは、オートン博士とグリンハムさん、そして、その研究員らが打ち立てた構造的で連続的な多感覚教授法です。

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  多感覚教授法の理論的裏づけになるものは何ですか?
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ディスレクシアの子どもたちは、聴覚や視覚の処理能力が弱いといえます。言葉の中にある音が、どのような役割を果たしているのかを理解する力が弱いのです。
たとえば、言葉に抑揚をつけたり、言葉を作るために音を混ぜ合わせたり、言葉をいくつかの音節に分けることに困難があります。また、日常で頻繁に使われる言葉を捉えることが難しいかもしれません。

小学校低学年になれば、頻繁に使われる言葉なら、簡単に学べるはずだと誰もが思いがちですが、以上のような理由で、ディスレクシアの子どもたちは実は、なかなか上手に学ぶことができないのです。

また、一般にこのような子どもたちは、アルファベット順になっているものや、アルファベットのシステム自体、学びがたいのです。

ですが、多感覚法を学べば、子どもたちは、3つの感覚を駆使してアルファベットのパターンや言葉を学びやすくなります。

オートン博士は、音声と文字の間の関係を理解できる年齢になる前に、その基本的なつながりを教えることは、どの年齢の子どもにとっても役立つと
アドバイスしています。

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  多感覚法が、確かな教授法であるという確固とした証拠はありますか?
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多感覚教授法を支持する動きが増えています。最近の研究では、「全国子どもの健康と人間発達研究所(NICHD)」で、ディスレクシアの子どものための明確化された構造言語教授法の有効性が注目を浴びています。

それによると、構造的、連続的、多感覚的構造言語教授法と、音韻認知のトレーニングを受けた子どもたちは、符号化技術を使うことで大きな効果を上げているとされています。

(多感覚教授法とは、文字と音声の関係、音節パターン、言葉の中の意味のある部分を、直接的に明確に使った教授法です。)

IDAは、マーシア・k・ヘンリー博士に協力いただいたことに感謝を表します。


・・・ この翻訳は、インターナショナル ディスレクシア 協会の許可に基づき作成されています。

共通の兆候

● インターナショナル ディスレクレシア 協会 のサイトから
    http://www.interdys.org/
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 ディスレクレシアかどうか、どうしたらわかりますか?

下記の「ディスレクシアの共通の徴候」でリストアップされた特徴がいくつか見られたり、年齢や教育レベル、認識能力とあっていないと思われる困難さがあるようであれば、教育を専門とする診断専門医か、訓練を受けた専門家チームによるテストが必要です。

(ここで重要なことは、「共通の徴候」は、指標であって、ディスレクシアであることを証明するものではないということです。資格をもった診断専門家のテストだけが、ディスレクシアを確認する唯一の方法です。)


 ディスレクシア共通の徴候

ディスレクシア共通の徴候は、年齢グループで分類されます。
子どもの様子が、年齢や教育レベル、認識能力とあっていない場合、リストに上げられた特色は、ディスレクシアの徴候である考えられます。ですが、ディスレクシアかどうかは、資格をもった診断専門医が、検査を行い判断する必要があります。


  幼稚園の年少、年中の子どもにおけるディスレクシア共通の徴候


・ 他の子どもたちよりも、話し始めた時期が遅いかもしれない

・ 言葉を話すのに困難があるかもしれない。
 例: スパゲティをバスゲティ、 lawn mower (芝刈り機) が mawn lower というよ
 うにロとマがひっくり返り、意味のない言葉になる

・ 新しい言葉を増やしすのが遅いかもしれない。

・ その場にふさわしい言葉を思い出せないかもしれない

・ 韻を踏むのが難しいかもしれない。

・ アルファベットや、数、曜日、色、形、スペリングや自分の名前を書くといったことを学
ぶのに苦労するかもしれない。

・ 段階をおっての指示や、日課に従うことができないかもしれない。

・ 他の子どもたちより、手先の運動能力の発達が遅いかもしれない。

・ 順を追って話をしたり、聞いた話を順を追ってもう一度説明することが難しいかもしれない。

・ ひとつの言葉を途中でうまく区切ったり、音を混ぜて言葉をつくるのが難しいことがよくある。

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◆◆ 幼稚園の年長から小学4年子どもにおけるディスレクシア共通の徴候
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・ 文字と音の間にある関係を学ぶのが遅いかもしれない

・ 単語がひとつだけしかないと、意味されたものを理解することが難しい。
(言葉がひとつだけぽつんと書かれていて、それを読むとき)

・ 発音を聞いてスペリングを書くことが難しい。

・ 読んだり書いたりするときに、いつも次のような間違いをする。

# 文字が左右逆になる。 bが dになったり、bog(沼地) が dog になる。
# 言葉が後ろ前になる。 pit が tip になる
# 文字が上下さかさまになる。 w が m に、n が u になる。
# 文字の配列が置き換えられてしまう。 left が felt になる。
# 別の言葉に置き換えてしまう。 home が house になる。

・ 短い言葉に混乱があるかもしれない。 
  to が at に、 and が saidに、 goes が does になる。

・ 勘であてたり、前後関係から察することに頼ってしまう。

・ 新しい単語を学ぶのが難しいかもしれない。

・ 数の順番を飛ばしてしまったり、数学の符号に混乱してしまうかもしれない。
  (+、−、× ÷)

・ 事実を記憶するのに問題があるかもしれない。

・ 新しい技術を学ぶのが遅いかもしれない。理解して覚えるのではなく、丸覚えしようと
 する傾向が強い。

・ 計画を立てたり、時間や物、仕事の調整や管理が難しいかもしれない。

・ 鉛筆の握り方がぎこちないことが多い。(握りしめたり、親指を他の指の上にのせるなど)

・ 手先の運動能力に同調性が乏しいかもしれない。

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◆◆ 小学5年生から中学2年におけるディスレクシア共通の徴候
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・ 一般に学年レベルより読む力が低い。

・ 文字の順序を変えてしまうかもしれない。 
 Solid が soiled に、 felt が left になってしまう。

・ 読みやスペリングを覚えるときに役立つ接頭語や接尾語、語幹や、その他の技術を学
 ぶのが遅いかもしれない。

・ スペリングに困難があるかもしれない。同じページの中で、同じ単語を違うスペリングで
 書いてしまう。

・ 大きな声で読むのを避けようとするかもしれない。

・ 数学の文章題に問題があるかもしれない

・ 判読しがたい字なため、書くことが困難かもしれない。鉛筆の握り方が、げんこつのよう
 だったり、固くてぎこちない。

・ 書くことを避けようとするかもしれない

・ 作文に困難があるかもしれない。

・ 事実を思い出すのが遅かったり、なかなか思い出せないかもしれない。

・ 読解力に問題があるかもしれない。

・ 文語ではない言葉に出会うと困ってしまうかもしれない。(慣用句や、ジョーク、ことわ
 ざや、くだけた言葉など)

・ 計画を立てたり、時間や物、仕事の調整や管理が難しいかもしれない。

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◆◆ 中学3年から大学生レベルのディスレクシア共通の徴候
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・ 読むときに、正確さに欠け、読むのが遅いかもしれない。

・ スペリングを間違えてどんどん書き続けたり、ひとつの文章の中で、同じ単語を違った
スペリングで書くことがよくある。

・ 読んだり書いたりする作業を避けるかもしれない。

・ 文章を要約したり、アウトラインを書き出すことに問題があるかもしれない。

・ テストは、選択式ではなく自由回答式の質問に答える場合、問題があるかもしれない。

・ 外国語を学ぶのが困難かもしれない。

・ 記憶力が弱いかもしれない。

・ 作業が遅いかもしれない。

・ 細かいところにほとんど注意を払わなかったり、こだわりすぎてしまうかもしれない。

・ 情報を間違って解釈してしまうかもしれない。

・ その場に不適切な単語を使ってしまうかもしれない。

・ 前もって読んだ文章の知識が十分に頭の中に残っていないかもしれない。

・ 計画を立てたり、時間や物、仕事の調整や管理が難しいかもしれない。

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◆ ◆大人のディスレクシア共通の徴候
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・読むことに問題があることを隠そうとするかもしれない。

・うまくスペリングが書けないかもしれない。スペリングを正すのに周りの人に頼ろうとする。

・書くのを避けようとする。書けないのかもしれない。

・記憶に頼ろうとするかもしれないし、優れた記憶力があるかもしれない。

・良き人としての能力がある人がよくいる。

・ 空間的認知に才能があったりする。
  必ずしもそうとは限らないが次のような職業。
  エンジニア、建築士、デザイナー、芸術家、工芸職人、数学者、物理学者、
  医師(特に外科医、整形外科医)、歯科医。

・ 「読み」に優れた人たちかもしれない。(直観力)

・ 職場では、生まれ持った知性よりはるかに低いレベルの仕事をしていたりする。

・ 計画を立てたり、時間や物、仕事の調整や管理が難しいかもしれない。

・ 起業家であったりする。


・・・・・・ この翻訳は、インターナショナル ディスレクシア 協会の許可に基づき作成され
    ています。

インターナショナル ディスレクレシア協会紹介

The International Dyslexia Association IDA
インターナショナル ディスレクシア 協会について

私達の使命

インターナショナル ディスレクシア協会 IDAは、ディスレクシアの複雑な問題に取り組む国際団体です。会員は、多岐に渡る協力関係にある専門家、家族、そして、私達の使命に興味を抱く方たちによって構成されています。

私達は、誰もが潜在的な力を発揮する権利を持ち、個々の学習能力は高める事ができ、さらに、ことばの獲得や使用を妨げる社会や、教育、文化の障壁があれば取りはらわなければならないということを信じています。

IDAは、ディスレクシアに効果ある指導や医療的な教育介入を積極的に推し進め、学術研究への支援や促進も実施します。さらに、ディスレクシアの原因究明と初期発見につとめ、信頼性が高く、調査に基づいた知識が広く普及されるよう尽力を注ぎます。


 IDAの目的

私達の目的は、ディスレクシアであったり、読み書きを学ぶことが困難な人たちを対象に、広範囲な情報とサービスを追求し、さらに提供することです。これは、希望と、可能性、協力を生み出すからです。

そして、このことにより、充実し満たされた生活を送ることができるようになったり、周りのありとあらゆる資源から社会的恩恵を受けることが可能となります。


 当協会について Who We Are

インターナショナル ディスレクシア 協会 IDAは、学習障害や読字障害、言葉に基づいた学習方法の違いについての研究や療法に貢献することを主旨とした科学的、教育的な非営利団体です。

IDAは、ディスレクシアの人々や、家族、その分野の専門家のために、アメリカで最初に設立された団体です。約11000人の会員のうち、60%が教育関係者で、20%がディスレクレシアの方々やその家族です。

支部は、アメリカとカナダに47箇所、ブラジル、チェコ、イスラエル、そして、フィリピンにも関連団体があります。

年間予算の約2億1千万円は、寄付金や会費、助成金、書籍の販売、イベントやその他の活動によるもので、政府からの援助は一切受けていません。委員会のスタッフも、すべてボランティアです。


 どんなことをしているのか・・・ですが What We Do

IDAは、主に次の4つの分野に焦点を当てて活動しています。

 ・情報収集と関連する支援サービスの調査
 ・権利擁護の主張、社会政策に関する主張
 ・専門団体として常に向上し続ける事
 ・情報の提供


 情報は次のようなところに提供されます

・本部と47支部に送られてくる年間3万から4万件の電話や手紙、メール
・ホームページを訪れる年間25万人の利用者
・会員と非会員向けのための掲示板 フォーラム
・アメリカ、カナダの47支部(イベントやセミナーを開催したりサポートグループをもつ)
・毎年恒例の国際会議(ディスレクシアや学習障害関係の専門家200-300人、そして、関係当事者3000人が参加)
・普及活動を行っている海外の関連団体


 世界規模の出版社として

・仲間からの意見や批評、便りを載せた雑誌「ディスレクシア年報誌 Annals of Dyslexia」は、郵送またはオンラインから購読できます。関連記事も、オンラインで購読可能です。

・特集記事を掲載した会員向季刊誌「言葉と読み書きの展望 Perspectives on Language and Literacy 」の発送
(これまでのトピック:教師のためのトレーニング、法的な問題、親にかかわる問題など)

・他の関連した書籍は、書店での購入が可能です。

・「見解 Fact Sheets」は、特集記事を扱った出版物で、当サイト「Information and Resources」で見ることができます。

 さらに当団体では

ディスレクシアに関する神経学、教育、そして発達問題に関わる事業い資金援助を行っています。

法律や国の立法システムにおいて、ディスレクシアの方々ひとりひとりの権利を擁護します。

ニュージャージー支部をモデルケースとして、全地域の支部を通して、ディスレクシアの方々に、検査、個別指導、改善指導などのサービスを直接提供したいと、日々、プログラムの向上に努めています。

カテゴリー
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ディスレクシアとは?
ディスレクシアの基礎
ディスレクシアの定義
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社会的、感情的な問題 
書き取りやスペリング
書字障害(書字表出障害)のタイプと原因、症状
多感覚教授法