



アメリカのカリフォルニア州サンノゼの近くに住むサラさんは、現在18
歳で、コミュニティーカレッジと呼ばれる2年制の大学に通っています。
親御さんは、アフガニスタンからの難民で、サラさんは、アメリカ生ま
れです。
サラさんの小学生時代ですが、いつも授業についていけず、親は先生
からいつも呼び出しをされていました。
小学4年生のとき、サラさんは、学習障害と診断され、特殊クラスに入
れられました。ですが、先生に恵まれず、授業で質問してもきちんと
答えてくれず、辛い思いをしました。
そんなときは、普通クラスの先生たちに相談することにしていました。
というのは、その先生たちのほうがきちんと対応してくれたからです。
親はというと、祖国で十分な教育を受けてこなかったという理由で、
サラさんの勉強を手伝うことはなく、それも辛かったといいます。
というのは、アメリカでは、学校にもよりますが、多くの親は、
子どもの宿題を毎日、きちんとみてやり、学習に遅れが出ないよう
とても配慮しているからです。
中学になると、最初の2年間は、籍は特殊クラスに置きつつ、通常は、
普通学級に出席し、科目によっては、特殊クラスに戻るという学習方
法をとっていました。
サラさんの障害は、たとえば、長期的な記憶力は良いのですが、短期
的な記憶力が弱いということでした。このため、試験の1週間前から
毎日6時間も勉強してきたのに、テスト用紙を目の前にすると、一部
の情報を除いて他の情報はすべて消えてしまうということをずっと体
験してきました。
どんなに真面目に努力をしても、良い結果が得られないため、そんな
自分に対し、いつも怒りとストレスを感じ、また、救いがたい自己嫌
悪にも陥ってしまいました。
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中学3年の14歳の時、プログラムが変わり、通常は、普通クラスで
勉強して、数学と国語(作文)は、特殊クラスではなく、補修クラス
で勉強するようになりました。
特殊クラスと補修クラスの違いは、特殊クラスは、障害のある生徒た
ちが、ひとつの教室で一緒に授業を受けるのに対し、補修クラスでは、
学生一人につき先生がひとりついて、マンツーマン指導を行います。
サラさんは、補修クラスでは、数学と作文以外に、学習計画をたてる
指導も受けました。そこでは、主に、理論的に計画を立てる方法を習
いました。
そのときに出会った日系3世の学習障害専門の教師のアシザワ ローラ
先生の指導が、サラさんの人生を大きく変えることになりました。
サラさんは、それまで人に対し、「ノー」と言うことができませんで
した。というのは、「ノー」と言ってしまうと、相手の人がそれを気
にして、良い関係ができないと思っていたからです。
それで、たとえ自分の答えが「ノー」であっても、いつも必ず「イエ
ス」と答えてしまいました。
結果的には、わかっていないことでも「わかります」ということにな
ってしまうため、周りの人にきちんと自分の気持ちや考えを伝えるこ
とができずにいました。
ですが、ローラ先生の指導の後、人は、自分が思っているほど「ノー」
に対して、深く反応するわけではないということに気が付きました。
そして、これがきっかけで物事に対する考え方が大きく変わっていきま
した。いちばんの変化は、自分の人生は、親に頼るのではなく、自分で
切り開いていかなければならないということに気が付いたことでした。
それからは、自分に対してもだんだんと自信が出てきて、自分の意見
を人に言えるようになりました。
友達関係は、それまでは、いつも身近な人ととのつきあいしかできま
せんでしたが、高校3年生になるころには、いろいろな人と交流
できるようになりました。今では、友達とショッピングにでかけたり、
年頃の若い女の子の話題などを友達同士で語り合っています。
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現在は、学習障害やコミュニケーション障害、身体にハンディキャップ
のある人たちのための特殊プログラムがある、サンフランシスコ近くの
2年制のコミュニティーカレッジに通っています。
特殊プログラムがあるおかげで、サラさんは、自分に合った学習計画や
カウンセリングを受けることができています。また、試験も、一般の学
生のように短時間で答えを出すことができないことから、本来は1時間の
試験時間を3時間に延長してもらうなどの配慮を受けています。
サラさんの大学生活は、今、勉強ひとすじです。というのは、半年後の
秋には、4年生の大学へ編入したいと考えているからです。
このため、1学期間には16単位分の授業に参加するのが普通なのです
が、今学期は22単位分の授業に出ています。勉強は、朝8時の授業で
始まり、午後は図書館に移動し、夜10時までは勉強をしなければなり
ません。
その合間にも、アルバイトをしたり、家の手伝いもあり、多忙な日々を
送っています。
将来、4年制大学で何を専攻したいのかは、まだ決まっていません。で
すが、当面の目標は、大学での勉強と決め、夢に向かって前進しています。
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サラさんとのインタビューは、ローラ先生の自宅で行われましたが、当日、
自分で車を運転してやって来ました。
14歳当時のサラさんを知っているローラ先生は、サラさんが、免許が取れ
るぐらいに、いろいろな面で進歩したことにとても驚いていました。
その日、サラさんは、出かける前に、母親から食後の食器の洗い方が良く
ないと、さんざん叱られてしまったそうです。サラさんの母親は、家事に
ついては大変に厳格で、サラさんに完璧を求めてくるため、細かいことが
苦手なサラさんにとっては、小さな頃からの悩みの種のひとつとなってい
ます。
でも、家事にうるさい母親を持つことで、今後、自立して生活するとき、
料理や洗濯、そうじなど、身の回りのことができることに対し、自信を持
ってのぞむことができそうです。
真面目で、勉強に一生懸命なサラさんのことを、ローラ先生は、こう語っ
ています。
「私のたくさんの生徒の中でも、サラさんは、とても頑張り屋で優秀な学生
です。彼女に出会ったのは、彼女が14歳のときでしたが、その年は、人生
の中でも大きな変わり目だったと思います。
彼女は、これまでものすごく苦労をしてきましたが、自分の考え方をしっか
りともって生きています。ですから、きっと4年生大学にも編入できるだろ
うし、就職しても、結婚しても、なんとか自分でやっていけるに違いないと
信じています。」
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★ Chabot college 情報 http://www.chabot.org
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◆大学名 Chabot college
◆場所: カリフォルニア州 サンフランシスコ近郊 Hayward
◆学科:
会計学、建築学、芸術、自動車関係の技術、行動学、生物、ビジネス、
化学、コーチング、コンピューター関係、歯科衛生士、幼児教育、
エンジニア、英文学、フィットネスインストラクター、フランス語、
グラフィックデザイン、健康学、インテリアデザイン、国際関係学、機械、
マーケティング、マスコミュニケーション、数学、医療補助、音楽、
看護学、写真、体育、物理、ラジオとテレビのブロードキャスト、
心理学、カウンセリング、不動産学、セキュリティー、社会学、スペ
イン語、スポーツによるけがのケア、デザイン学、工具製作などなど
◆学生数:約1万5千人
高校を出て入ってきた1〜2年生は約半数で、あとの約半数が社会人。
昼間部にフルタイムで通っている学生は半分。それ以外の学生は、昼
間部と夜間部両方だったり、夜間部、または、数単位だけをとるパート
タイムの学生。
◆特殊プログラムのある部署:
DSRC Disabled Students Resoruce Center
◆特殊プログラムの対象者:
身体的に障害のある人、コミュニケーションや心理的障害、そして、また
は、学習障害のある人
プログラムでは、障害に関する評価や、カウンセリング、教育計画などの
ほか、通学用の車、車椅子、パソコン、テープレコーダーや視聴覚器具な
どの利用できるなど、さまざまなサポートが準備されています。
| カテゴリー |
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