icup.gif (197 バイト)特集1 「いざという時の海外での出産」

icup.gif (197 バイト)特集2 「帝王切開」 

 

 

 

帝王切開や無痛分娩をする場合。麻酔が行われます。どの麻酔を使うかは、手術の内容や妊婦の希望、医師の判断によって、種類や組み合わせ方が違ってきます。アメリカでは、妊婦自身が麻酔の種類を決定して、大量の書類にサインしなければならないことが多いため、事前に詳しく調べておくことが必要です。(日本でも、手術及び麻酔についての同意書にサインが求められます。)
 
麻酔は、大きく分けて2種類あります。ひとつは、体の一部分だけを麻痺させる局所麻酔、もうひとつは、体全体に麻酔をかける全身麻酔です。以下は、一般的な説明ですので、詳しいことは、担当医師に確認が必要です。
 
1)局所麻酔

<硬膜外麻酔 epidural anesthesia エピデュアル>

局所に麻酔を効かせるため、手術中に意識があり、赤ちゃんが生まれる経過や瞬間がわかり、産声を聞くこともできます。
 
麻酔は、背骨の隙間から細いチューブを脊髄の近くに挿入し麻酔薬を注入します。このときに高い技術を必要とします。チューブを挿入する前には、痛くないよう専用の注射を事前に行います。
 
手術後も、チューブを通じて痛みを押さえる麻酔薬を注入することが可能なため、傷の痛みを押さえることができます。
 
チューブ挿入の際に脊髄を覆っている膜に穴があいたり、チューブの先端が目的の場所に届かないということが起きえます。その場合、ひどい頭痛が数週間続いたり、麻酔の効果が十分に出なかったり、麻酔が効きすぎたり、急激に血圧が下がることがあります。頭痛などは、ある程度の期間が過ぎればなくなります。
特に年齢が若かったり、太い針でチューブを挿入する場合、後に頭痛の原因となることがあります。
 
アメリカでは、緊急の帝王切開のときに、麻酔士が硬膜外麻酔を行う割合は、80%から88%というデータがあります。これは全身麻酔に比べ、短時間で麻酔をかけることができることによります。*1)
 
参考サイト
Medical Risks of Epidural Anesthesia During Childbirth


 
<脊髄麻酔(腰椎麻酔) spinal anesthesia>

下半身だけを麻痺させる麻酔方法で、手術中には意識があり、出産の経過を知ることができます。脊髄の中に直接麻酔薬を入れるため、麻酔薬は少量ですみます。
 
手術後に、ひどい頭痛や吐き気を起こすことがあります。また、麻酔が切れると、傷の痛みや後陣痛の痛みがあります。その場合には、鎮痛剤などを使うことがあります。
 
硬膜外麻酔と違い、一度しか麻酔薬を注入できないため、手術が長時間にわたるものに変更された場合は、全身麻酔がなされます。硬膜外麻酔より技術的には難度は低くなります。
 
硬膜外麻酔に比べ、合併症が少なかったり、抗不安剤や鎮痛剤の量が少なめになるというデータがあります。手術時間は、硬膜外麻酔の場合よりも、20分ほど手術室にいる時間が短いというデータがあります。
 
 
 
2)全身麻酔

緊急時(出血や胎児仮死など)や、局所麻酔が使えない場合(出血傾向や感染)その他の理由で使用します。麻酔がかかっている手術中は、痛みもありませんが、意識もないため、出産の経過などは知ることはできません。
 
麻酔効果の確実性が高く、母体にも安全とされています。ただし、へその緒を通じて赤ちゃんへの影響があることもあります。
 
麻酔は、ガスタイプの吸入麻酔薬と、点滴を通して行う静脈麻酔薬があります。麻酔がかかっている間は、自分で呼吸することができないので、人工呼吸器をつけます。
 
全身麻酔は、麻酔が覚めた後、傷の痛みがあるため、最近は、硬膜外麻酔(手術跡も背中のチューブから麻酔薬を送り続けることができる)を併用するケースが増えています。
 
 参考ホームページ
 
東麻酔研究所 麻酔について絵や写真で詳しく説明がされています。これから麻酔を受ける人や、すでに麻酔を受け、後遺症で悩んでいる人たちへの丁寧な回答集もあります。
麻酔の話  麻酔について詳しい説明が載っています。麻酔による頭痛や吐き気などの原因、その後どうしたらよいのかなどについての説明もあります。
BABY EXPRESS 無痛分娩のための麻酔について詳しく説明しています。
踊る麻酔課最前線 かなり詳しく麻酔について説明があります。本音でかかれた部分もあり、ちょっとびっくりもしますが。
 
参考図書  「こだわり」の局所麻酔 高崎真弓著
 
麻酔の後遺症

麻酔のあとに体調が良くないときには、担当医師や痛みの専門家に相談することをお勧めします。

具体例:

  • 麻酔が覚めた後、頭痛や、肩の張りが1週間続き、授乳ができなかったり、トイレに行くのもつらかった。

  • 手術中に激痛と吐き気で苦しんだ。術後も、症状は変わらず苦しかった。

  • 麻酔を受けた直後に足がしびれ、その後、数ヶ月〜数年たってもしびれが残っている。

  • 腰のしびれが何年もたっても残っている。

  • 麻酔を受けた後、吐き気や悪夢を見て、今でもそのことを思い出すと気分が悪くなる。

  • 足に冷たい水がかかると、電気ショックを受けたような激痛が走り、眠ることもできない。そんな状態が何ヶ月もずっと続いている。

長期的に痛みやしびれがある場合の専門科は、症状にも寄りますが、整形外科(脊髄専門)、麻酔科のペインクリニックなどがあげられます。


 
麻酔事故

麻酔事故に関しては、西欧諸国では、日本に比べ医療体制が整っているとの理由から、安全性が高いとの報告があります。
 
麻酔は、個人の体質、そのときの体調、赤ちゃんの様子、医師の考え方、医療体制によって、事情が変わってきます。もしも、最初から麻酔を使うのであれば、わからないことは積極的に医師に確認することをお勧めします。海外では、患者からの質問に答えることが医師の使命であり、患者から質問が来ないのは、患者がすでに情報をそれを誇りに思っているので、できるだけ聞いたほうが、コミュニケーションも取れ、より良いお産につながります。
 
1)A Guide to Spinal Anaesthesia for Caesarean Section

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